【店部推薦図書34】「英語歳時記 普及版」監修=土居光知・福原麟太郎・山本健吉 編集=成田成寿(研究社出版)



シェイクスピアのソネット(詩)に詠み込まれている季語が、新古今和歌集より多いと知った時、日本人としての自負のようなものがガラガラと音を立てて崩れました。
四季、その自然を愛でる日本人のアイデンティティとは何だったのか?

この本は翻訳ではなく、日本で企画編集された英米の歳時記(英語ではなく日本語で書かれています)。
普及版とはいえ、1500ページ越え、13000円もするシロモノ。どういう層にアピールしている本なのか全くわからないのですが、それゆえ、非常に面白い内容です。

春夏秋冬を時候、天文、地理、生活、行事、動物、植物の7部に分類し、絵図、写真を多用しながら解説。名文や詩歌が対訳文で引用され、それぞれの季節にそったエッセイも収録されています。
また、その他「雑の部」として、あまり季節に関係ないが重要なもの、自然(地誌、動物、植物)と社会(住居、服飾、食物、交通、宗教、スポーツ、神話、妖精)について、やたら細かいところまでアプロ−チ。「歳時記にそれはいらんやろ」というツッコミが無力化してしまうような、圧倒的な物量と精密さです。

日本には四季があり、それは美しい。と、日本人は小さい頃から教えられます。しかし、変化の大小はありますが、世界のどの地域にもそれぞれ四季はあります。
当たり前ですが、当たり前すぎて意外と気付かないことです。

ニュースや文化、風俗など、メディアが発信しやすい事象に関してはどんどん情報が入っていきます。
しかし、英米にも花鳥風月のようなものがあることをどのくらいの人が知っているのでしょうか?

程よいカルチャーショックを受けることが出来る1冊です。

1800円で販売中。