店部ブログ

【店部推薦図書21】「江戸絵画の不都合な真実」狩野博幸(筑摩選書)

作者は1947年生まれ、アカデミズムの主流とは離れた旺盛な活動で知られる日本近世美術史家。 ちなみに日本絵画の「狩野派」とは関係ないそうです。 本書で取り上げられている画家は、岩佐又兵衛、英一蝶、伊藤若沖、岸駒、葛飾北斎、写楽など。 あまり美術史というものに馴染みはなかったのですが、時代考証や絵画分析がここまで進んでいることにびっくりしました。 それら、歴史的裏付けを元にしての...

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【店部推薦図書20】「南方熊楠男色講義 岩田準一往復書簡」長谷川興蔵・月川和雄編(八坂書房)

前回に続き、書簡もの。 簡素ですが、漆黒の中から血がにじみ出るような装丁が素晴らしいです。 冒頭に稲垣足穂「南方熊楠児談義・はしがき」が置かれ、後ろの江戸川乱歩「同性愛文学史・岩田準一君の思い出」にはさまれるかたちで、本編である書簡が掲載されています。 役者もそろい、構成も文句なしです。   岩田準一(以下、岩田)は1900年生まれの風俗研究家で「男色(同性愛)」の研究をライ...

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【店部推薦図書19】「芭蕉書簡大成」今栄蔵編(角川書店)

俳句は「モノローグ(独白)」ではなく「ダイアローグ(対話)」です。 和歌なども対話の手段です。日本詩歌はそのように進化し、発展してきました。 そのことを、手っ取り早く実感するには「歌合せ」「句会」に出席すればよいのでしょうが、この書簡(手紙)からも芭蕉文学の本質といえる「対話」が見えてきます。 「対話」とは何ぞや? 一言でいえば「ボケとツッコミ」があるということです。 ...

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【店部推薦図書18】「三位一体の神話」大西巨人(光文社文庫)

大西巨人は1919年(大正8年)生まれの小説家、評論家。その硬質な文体で知られます。 本作は1992年に推理小説として発表。当時多くの書評や批評で「モデル小説」と見なされ、殺される側は巨人自身、殺人者は井上光晴ではないかと話題、論争になりました。 この小説の魅力はやはり文体にあります。こんな文章を書けるのは後にも先にもこの人しかいないといえるでしょう。「硬質な文体」といえば聞こ...

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【店部推薦図書17】「文学のプログラム」山城むつみ(太田出版・批評空間業書)

山城むつみは1960年生まれの文芸評論家。「むつみ」という名前ですが男性です。 1992年に今作収録の「小林批評のクリティカルポイント」で群像新人文学賞評論賞受賞。著書としてはこれがデビュー作となります。 「日常系アニメ」というのをご存知でしょうか? まったりした日常を、ただひたすら丹念に描くアニメで、「けいおん!」「らき☆すた」などがよく知られており、現在アニメ界のメインストリ...

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